2度の再逮捕を経て起訴になると本当に暇になる

刑事から取り調べに呼ばれることも無くなり

検事調べのため検察庁に呼ばれる事も無くなる

しかも起訴になったにもかかわらず接見禁止が取れないため面会や手紙のやり取りも出来ない

外と連絡取る手段は弁護士を通すしかなかった 
 
 これには本当に参った

そうなると透析がいい暇つぶしになった

透析に行けば看護師や技師と話せるからだ

自分から話しかけなくても特に年配の看護師さんなどは興味があるようで留置場での生活のことなどを聞いてくる

さすがに事件の事だけは聞いてこないが

透析中は交代で警官が一人ベッドの横に付き添っているのだがここら辺の無駄話は警官から特に注意されることも無い

一度こんな笑い話があった

付き添いの警官はジャンパーなどを着たりしてぱっと見警官には見えない様に気を使ってる

俺のベッドはパーテーションで仕切られほかの患者が見えないようになっていたがほかの患者からは俺が見えないにしてもだれか透析をやってるのは分かる訳でそれがパーテーションで囲まれ何人かの付き添いまでいるのだから俺はほかの患者から危篤でもう時間の問題なので家族や友人が会いにきていると他の患者が噂していると半笑いの看護師に言われた

誤解を解くすべもないので結局そういう事にしておいた

ここの病院の人たちは本当によくしてくれた

こんな事もあった 

透析室にはテレビがあったが俺は見ることが出来なかった

その頃はバンクーバーの冬季オリンピックをやっていてその日は日本中が注目していた浅田真央のフリーの演技の日だった

看護師や技師それに先生までもはじまるのをいまかいまかと待っていた

すると演技が始まる直前先生がテレビを俺の近くに持ってきて見出した

画面は見えなかったがボリュームを大きくして付き添いの警官に「音ぐらいいいでしょう」と言ってくれた

これには付き添いの警官も「どうぞ」と言うしかなかった様だ

先生の粋な計らいに感謝しながらフリーの曲ラフマニノフの鐘を聞いていた

後に拘置所に移る際この先生は出所時に透析をやる病院が決まらなければうちに来なさいと言ってくれた

そうゆう優しい先生だった

結局お世話になることは無かったが今でもたまに思い出す

元気でいてくれるといいのだけど

こうして透析とダイエットは順調だった